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【2026年版】電気自動車を選ぶということ。価格と補助金、充電で考える
電気自動車を選ぶ判断材料を2026年7月時点の実額でまとめました。国産EVの価格帯、国と東京都の補助金の実例、実質価格の試算、自宅充電と公共充電網の現状、V2Hによる停電時の給電まで整理しています。
電気自動車を選ぶかどうかは、車両価格だけでは決まりません。国と自治体の補助金を差し引いた実質価格、自宅や周辺で充電できるかどうか、そして災害時に車から家へ給電できるかどうかまで含めて判断する話です。2026年7月時点で日本国内で買える主なEVの価格帯、東京都在住で受けられる補助金の実額例、実質価格の試算、充電インフラの現状、V2Hによる備えを、実額とともに整理します。
2026年7月時点で買えるEV、価格帯で見る主な選択肢
まず、今実際に店頭で選べる車種を確認します。国産の軽電気自動車は250万円前後から出ており、通勤や買い物中心の一台としてもっとも手が届きやすい価格帯です。普通車のEVは500万円台から900万円台まで幅があり、航続距離とボディサイズで価格が分かれます。
| 区分 | 車種 | 価格帯(税込) | 一充電走行距離(WLTCモード) |
|---|---|---|---|
| 軽EV | 日産 サクラ | 244万8,600円から299万8,600円 | 180km |
| 軽EV | 三菱 eKクロス EV | 244万6,400円から321万4,200円 | 180km |
| 軽EV | ホンダ N-ONE e: | 269万9,400円から319万8,800円 | 295km |
| 普通車EV | 日産 リーフ(新型) | 438万9,000円から599万9,400円 | 最大702km |
| 普通車EV | トヨタ bZ4X | 480万円から600万円 | 最大746km |
| 普通車EV | スバル ソルテラ | 517万円から605万円 | 最大746km |
| 普通車EV | 日産 アリア | 667万5,900円から951万600円 | 最大640km |
| 輸入EV | BYD ドルフィン | 299万2,000円から374万円 | 車種により異なる |
| 輸入EV | テスラ Model Y | 558万7,000円から749万円 | 車種により異なる |
軽EVは車両価格がガソリンの軽自動車に近づいてきており、航続距離も普段の買い物や通勤には十分な水準です。一方で普通車EVは、同クラスのガソリン車やハイブリッド車より本体価格が高い車種がまだ多く、ここで効いてくるのが次章の補助金です。輸入EVは価格帯の幅が広く、BYDのように国産の軽EVに近い価格で買えるモデルも出てきています。
サクラの詳しいスペックと相場はサクラのカタログページにまとめています。購入までの具体的な流れは初めての車購入チェックリストを参考にしてください。
補助金の実額。国のCEV補助金と東京都の上乗せ
EVの購入では、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」と、都道府県や市区町村の上乗せ補助を組み合わせるのが基本です。金額は年度と車種、登録時期で変わるため、ここでは2026年7月時点の実例を示します。
国のCEV補助金は、令和7年度補正予算にもとづき、車両登録日が2026年4月1日以降の場合で上限額が引き上げられました。車種ごとの交付額は個別に決まっており、たとえば日産サクラは全グレード一律58万円です。上位のEVでは100万円を超える車種もあり、上限は最大130万円です。
東京都は独自のZEV車両購入補助金を用意しており、2026年7月1日以降に初度登録した車両から上限額が引き上げられました。基本額に加えて、メーカーの取り組み評価による上乗せ、太陽光発電システムの設置、V2H充放電設備の設置、再生可能エネルギー100%の電力契約など、条件を満たすごとに加算があります。サクラを例にすると、太陽光発電などの上乗せ条件を満たさない基本的なケースで60万円、太陽光発電を設置すればさらに30万円が加わります。
つまり、東京都でサクラを買う場合、国と都をあわせて118万円から148万円程度の補助が実額として見込めることになります。ただし、補助金は年度予算に限りがあり、申請期間や条件も毎年見直されるため、購入を決める前に次世代自動車振興センターと自治体の最新情報を必ず確認してください。
実質価格はいくらになるか。サクラを例に計算する
補助金を差し引くと、車両価格はどこまで下がるのか。日産サクラのSグレード(244万8,600円)を、東京都在住で太陽光発電もV2Hも設置しない基本のケースで試算します。
車両価格244万8,600円から、国のCEV補助金58万円と東京都のZEV補助金60万円を差し引くと、実質価格は126万8,600円になります。太陽光発電を設置すればさらに30万円が加わり、実質96万8,600円まで下がる計算です。これは2026年7月時点の制度にもとづく試算です。
車両価格が下がるだけでなく、EVには税制上の優遇もあります。新車登録時にかかる自動車税や軽自動車税の環境性能割は、電気自動車であれば非課税になります。新車新規登録時の自動車重量税も免税の対象です。登録翌年度の自動車税や軽自動車税についても、電気自動車向けの軽減措置(グリーン化特例)が用意されています。軽減の割合や適用期間は年度の税制改正で変わるため、正確な税額は購入時点で販売店か自治体の窓口で確認できます。
任意保険や充電にかかる電気代は、ガソリン車の燃料費とは別の費目として残ります。年間の維持費全体を他の車種と比べたい人は、車の維持費の内訳や維持費シミュレーターで試算してみてください。
自宅充電の便利さと公共インフラの現状
EVを選ぶ理由としてよく挙がるのが、自宅で充電できる便利さです。帰宅した流れでケーブルを挿しておけば、翌朝には満充電に近い状態になっており、ガソリンスタンドに寄る手間そのものがなくなります。夜間電力プランを契約していれば、走行分の電気代も抑えやすくなります。
帰宅してケーブルを挿すだけで、翌朝には充電が終わっている。これが自宅充電(基礎充電)の便利さ。
一方で、この便利さは自宅に充電設備を用意できることが前提です。経済産業省の集計によれば、2025年3月時点で全国に整備されている充電器は合計で約6.8万口、内訳は急速充電器が約1.2万口、普通充電器が約5.6万口です(普通充電器のうち、外出先の目的地充電が約3.1万口、集合住宅などの基礎充電が約2.5万口)。国は2030年までに合計30万口、うち急速充電器3万口まで増やす目標を掲げており、整備はこれから加速する段階にあります。
分譲や賃貸の集合住宅に住んでいる場合は、充電設備の設置が戸建てより難しいのが実情です。管理組合の合意形成や工事費用の負担が壁になりやすく、充電器つきの区画がまだ用意されていない物件も多くあります。
集合住宅では充電設備のある区画が限られる。入居前や購入前に、充電器の有無と増設予定を確認しておきたい。
EVへの乗り換えを検討するときは、車両そのものより先に、自宅や契約している駐車場で充電できるかどうかを確認しておくと、購入後の後悔を避けやすくなります。
V2Hによる災害への備え
EVのもうひとつの価値が、災害時の備えとしての役割です。V2H(Vehicle to Home)機器を設置すると、停電したときに車のバッテリーから家庭へ電気を送れるようになります。ふだんは自宅の電気でEVを充電し、いざというときは逆方向に電気を流せる仕組みです。
この給電は、CHAdeMO規格の放電機能を使って成り立っています。ニチコンの対応車種一覧に並ぶのは日産やトヨタなど国内メーカーの車両が中心で、テスラはここに含まれていません。Model YやModel 3で同じように家庭へ給電する使い方はできず、停電への備えを車で用意するなら、テスラは蓄電池のPowerwallを別途組み合わせる形になります。
どれくらいの日数をまかなえるかは、EVの電池容量と家庭の使用量次第です。仮に一般的な世帯の1日あたりの電力使用量を10kWh前後と置くと、日産サクラのように20kWhの電池を積む軽EVでは、目安としておよそ2日分になります。アリアの上位グレードのように91kWhの電池を積む車種なら、単純計算で9日分近い電力を確保できることになります。これはエアコンや調理家電を通常どおり使わない前提の粗い試算で、実際の停電時は必要な機器に絞って使うことで、この目安より長く電気を使えます。
V2H機器を介してEVから家庭へ給電する。ふだんの充電と、災害時の備えを兼ねられる。
V2H機器そのものにも購入や設置にまとまった費用がかかりますが、東京都のZEV補助金ではV2H充放電設備を設置すると上乗せ加算があり、国のCEV補助金にもV2H機器向けの補助制度があります。
戸建てで太陽光発電を組み合わせれば、平常時の電気代を抑えながら、災害時の備えも同時に用意できます。初めての一台としてEVを検討している人は、車両選びと合わせて、こうした災害への備えまで含めて判断すると、EVならではの価値が見えてきます。
参考資料
- クール・ネット東京「FCV・EV・PHEV車両 燃料電池自動車等の普及促進事業・電気自動車等の普及促進事業」(2026年7月確認)
- 東京都「EV・PHEVの補助上限額一部引上げ」(2026年7月確認)
- 日産自動車「サクラ 価格・グレード|補助金・優遇策」(2026年7月確認)
- 次世代自動車振興センター「CEV補助金対象車両(EV)」(2026年7月確認、車種別の交付額は同サイトの一覧を参照)
- 経済産業省「充電インフラ整備促進に関する取組」(2026年7月確認)
- ニチコン「EVパワー・ステーション 対応車種」(2026年7月確認)
よくある質問
電気自動車の補助金はいつまでもらえますか。
国のCEV補助金も自治体の上乗せも、新車登録の時期で対象年度と金額が変わります。購入直前に次世代自動車振興センターと自治体の最新の交付要領を確認してください。
集合住宅でも電気自動車の充電はできますか。
管理組合の合意形成や工事費の負担が壁になりやすく、戸建てより整備が遅れています。契約前に充電設備の有無と増設予定を確認しておくと安心です。
V2Hがあれば停電中もずっと家電を使えますか。
家庭の使用量とEVの電池容量を仮定した目安では数日分ですが、エアコンや調理家電を使うと消費は早まります。必要な機器に絞って使う前提の備えと考えてください。