車はいらないと思っていた信田さんが、ライズで広げた休日【前編】
神奈川県で奥さんと犬と暮らすITエンジニアの信田さん。最初の一台にライズを選んだ条件、ボルダリング用の装備を運ぶ工夫、犬との旅行まで、約4年間の車のある暮らしを聞きました。
ライズの屋根に載った黒いルーフコンテナには、ボルダリングの装備を入れていた。 信田さんにとって最初の愛車となったトヨタ ライズは、趣味の荷物を運び、夫婦のお出かけや犬との旅行を支えた一台だ。
神奈川県の戸建てで奥さんと犬と暮らす、ITエンジニアの信田さん。 現在はテスラ モデルYに乗っているが、以前は車を持つつもりさえなかったという。 そんな信田さんがライズを選び、車で行ける場所から旅行先を探すようになるまでには、住まいと休日の過ごし方の変化があった。
車を買う予定のなかった家に、車庫がついていた
「車はいらんと思っていた。一生乗ることはないだろうと思っていたタイプなんですよね」
大学時代に免許は取得したものの、当初から運転する気はなかった。 社会人になってからもハンドルを握らずに過ごしていた信田さんに、車を持つきっかけが訪れたのは家を買ったときだった。
家探しの初めから戸建てに決めていたわけではない。 夫婦で話し合ううちに戸建てがよくなり、物件を探し始めた。 その時点でも、車を置けることは譲れない条件には入っていなかった。 むしろ駐車スペースは妥協してよいと考えていたという。
ところが、気に入った家には車庫がついていた。 購入直後は車を買うつもりがなかったのに、暮らし始めて空いた場所を眺めるうちに、そこに何かが足りないように感じ始めた。
「ここにあるべきものがない」
車庫があるなら、一度車を買ってみてもいいのではないか。 長年憧れた車種があったわけでも、電車での生活に困り切っていたわけでもなかった。 先に手に入れた家が、車を持つ生活を考えるきっかけになった。
緑の中に停まるライズ。免許を取ってから長く運転していなかった信田さんが、最初の一台に選んだ車だ。
小回りと荷物の積みやすさでライズを選んだ
購入するとなれば、どんな車でもよいわけではない。 信田さんには、運転しやすい大きさであることと、趣味の荷物を積めることの両方が必要だった。
大学で免許を取って以来、運転していない。 しかも自宅の周囲には狭い道があり、大きな車では出入りできないのではないかと心配していた。 最初に挙がった条件は、小回りが利くことだった。
一方、趣味のボルダリングでは、屋外の岩を登るときに落下に備える大きなマットを運ぶ。 友人を誘って行くなら、必要になるのは一枚だけではない。
「積載能力が大きい、かつ小回りが利いて小さい」
この条件から候補に挙がったのが、ライズとスズキ クロスビーだった。 小ささを優先すればハスラーも気になり、ヤリスクロスには少し大きくて心配という印象があった。 最終的にはクロスビーとライズで店を回り、価格と積載性を比べた。
信田さんが探した範囲では、ライズのほうが安く手に入りそうで、荷物も積みやすそうだった。 選んだのはガソリン車で、トヨタの認定中古車として購入した、走行距離の少ない個体だ。 未使用車ではなく、前のオーナーがいた車だったという。
最初の車選びでは、運転のしやすさだけに絞れば小さな車へ、積載量だけを求めれば大きな車へと候補が動く。 信田さんは、自宅から出せるか、趣味の荷物を運べるかという二つの条件を行き来しながら、一台を決めていった。
ルーフコンテナにはボルダリングの装備を積んだ
外の岩へ行くときに持っていくマットは、背負って歩くときの姿を、信田さんが妖怪のぬりかべにたとえるほど大きい。 友人と出かける際には、それを複数枚運ぶことになる。
「友達誘っていく場合、2枚3枚と入れなくちゃいけない」
車の使い方には、そうした趣味の事情が表れている。 ライズの屋根にはルーフコンテナを取り付け、ボルダリング用の装備を入れていた。 街中で扱いやすい車体を選びながら、屋根の上も荷物の置き場所として使っていたのだ。
屋根にはボルダリングの装備を入れるルーフコンテナ。
提供してくれた写真には、テントの隣や山道に停まるライズも写っている。 ボルダリングの道具を運びたいという購入前の希望は、車体の小ささとともに、車選びの具体的な条件になっていた。 何人で出かけるかに加え、何を持っていくかまで考えると、必要な荷物のスペースが見えてくる。

夫婦のお出かけに、犬との旅行も加わった
車を持ってみると、出かける先も変わっていった。 信田さんにとって神奈川は、電車だけでも生活できる一方、車に乗ると新しく見えてくる場所が多い土地だった。 駅から離れた買い物先や観光地にも目が向くようになったという。
休日に行きたいのは、東京方面よりも湘南や葉山、三浦、鎌倉といった方面。 駅から離れたところにも、気になるカフェや訪ねたい場所がある。
「探そうとすら思わなかったものにいっぱい出会えたっていうのは、車に乗ってすごい良かったポイントですね」
遠出だけでなく、日々の買い物にも変化があった。 重い買い物袋を持って坂道を上る代わりに、近くのスーパーにも車で行くことが増えた。 車を使う理由は、大きな旅行の予定がある日だけではなかった。
戸建てと車がある暮らしの中で、犬も迎えた。 旅行にも病院にも車で連れていけることが、犬との生活を考えるうえでの支えになったという。 ライズには犬も乗せ、ドッグランや犬と泊まれるホテルへ出かけた。 岐阜への帰省にも使っていた。

気に入ったのは、行き先の自由だけではない。 電車なら作業をしたり眠ったりできるが、信田さんは、同じくらいの時間で着けて渋滞もなければ、自分で運転して行くほうを選びたいと話す。
「プライベート空間、自分の部屋を移動できるっていうのがすごくよくて」
移動中はポッドキャストを聞くことが多い。 運転するので作業はできないし、疲れもする。 それでも自分の空間で過ごす時間を気に入り、今では車で行ける場所から旅行先を探すほどになった。
約4年間、日々の足としてライズと付き合った
ライズを購入したのは2021年。 2025年にモデルYへ乗り換えるまで、約4年間乗った。 走行距離は本人の記憶で年間1万kmほど。 購入前には運転していなかった人の暮らしに、車がすっかり定着していた。
所有中に、まったく不具合がなかったわけではない。 警告灯がついたことや、終盤にはアイドリングストップがうまく働かないこともあったという。 ただ、本人の振り返りでは軽微なものだった。
「そんななんか致命的なのはなかったかな」
不具合とは別に、自分の扱い方で修理が必要になったこともある。 トランクを閉めるときにかばんのベルトを巻き込み、ドアの部品を交換したという。 車を持ってからの約4年間には、楽しい外出だけでなく、こうした出来事への対応もあった。
車検は近所のENEOSに依頼していた。 ディーラーは高いのではないかという本人のイメージがあり、車検では別の店を利用した一方、ディーラーから案内された点検を受けた記憶もあるという。 買った店だけに任せ切るのでも、自分ですべて整備するのでもない付き合い方だった。
ルーフコンテナにも雪が積もっている。日々の買い物から旅先まで、ライズで走った期間は約4年になった。
満足していたライズから、思いがけず次の一台へ
手放す際には、複数の会社に査定してもらった。 犬を乗せていたことなどを理由に当初より低い額を示した会社もあれば、高く評価した会社もあり、提示額には差があったという。
最終的な売却額は、購入時の車両本体価格を上回った。 ただし、登録などの諸費用やルーフキャリアなどの装備まで含めた総支払額より、高く売れたという意味ではない。 信田さん自身も、取材中にその違いを説明し直している。 約4年使った結果として印象に残る経験だが、同じ車を買えば同じ結果になると考えることはできない。
山道に停まるライズの後ろ姿。信田さんは乗り換え後も、好きな車だと話す。
そもそも、ライズへの不満が買い替えを急がせたわけではなかった。 車検を通し、そのまま使うつもりでいた。
「買い替えるつもりは全然なくて、買い替えるにしてもトヨタかなって思っていた」
小回りが利き、趣味の荷物を運び、犬と一緒に出かけられる。 そうした暮らしをライズで楽しんでいた信田さんに、次の一台との出会いが訪れる。 きっかけは車の故障ではなく、iPhoneの修理だった。
OWNER PROFILE
信田さんトヨタ ライズ 元オーナー
神奈川県の戸建てで奥さんと犬と暮らすITエンジニア。趣味はボルダリング。2021年に最初の愛車としてトヨタ ライズを購入し、2025年12月にテスラ モデルYへ乗り換えた。