夜の湾岸でカローラクロスの隣に立つ加藤さん

撮影: 小林 裕

オーナーインタビュー

考える負担を減らし、出かける自由を増やす。加藤さんとトヨタ カローラクロス

デザイナーの加藤さんは、気軽に出かけられる暮らしのため、カローラクロスをKINTOで契約した。購入や維持の不安を抱え込まず、自分のクルマを持つ選択をひもとく。

夜の湾岸を、落ち着いた色のカローラクロスが走っていく。灯りを受けたボディには静かな存在感がある。オーナーの加藤さんは、クルマを中心に暮らしている人というより、暮らしのなかへ無理なくクルマを組み込んでいる人だ。

夜の道を走るカローラクロスのリアビュー 跳ね橋の上がった夜の道を行くカローラクロス。加藤さんにとって、帰る時間を気にせず走れることもマイカーの価値だ。

加藤さんは、グラフィックからWeb、UIまで手がけるデザイナーだ。運転は好きだが、エンジンや排気量を詳しく調べ、クルマそのものを趣味にするタイプではない。それでも今は、自分専用の一台がマンションの駐車場にある。

注目したいのは、車種以上にその持ち方だ。このカローラクロスは購入したものではなく、トヨタのサブスクリプションサービス、KINTOで契約している。KINTO(キント)は、月々定額でトヨタの新車に乗れるサービスで、月額には自動車税や任意保険、車検・点検、消耗品交換の費用まで含まれる。契約が満了したらクルマは返却するか、次の一台に乗り換える。頭金を用意してローンを組む買い方とは、入口からして違う。

カーシェアで足りていた暮らしにマイカーが必要になった

最初の愛車を持つ前、加藤さんはカーシェアを利用していた。アウトドアが好きで、キャンプなどへ出かける機会があり、結婚後は奥さんと一緒に出かけることも増えた。必要な日に借りられるカーシェアは便利だったが、「毎月のようにカーシェア借りてたら、買っても変わんないんじゃない?」と考え始めたという。

もうひとつ、借り物ならではの窮屈さもあった。遠出した帰りに渋滞へ巻き込まれれば、返却時刻が気になる。疲れたから食事をして帰ろう、少し休んでから走ろう、という予定変更もしにくい。

「それを理由に早く帰るのも、ちょっとつまんないよね」

自分のクルマなら、出発も帰宅も自分たちの都合で決められる。奥さんは運転しないためハンドルを握るのは加藤さんだが、本人は運転が好きで、遠くへ行くこと自体が気分転換になるという。外へ出ることで仕事のオンとオフを切り替え、一度頭をリセットする。そのための道具として、クルマが暮らしに合い始めた。

ライトアップされた橋を背にしたカローラクロス 目的地を決めた遠出だけでなく、少し走って頭を切り替える時間もつくれる。自分の都合で使えることがカーシェアとの大きな違いだった。

車種より先にどの持ち方なら不安が少ないかを考えた

マイカーが欲しいと思っても、購入にはいくつもの壁がある。現金をまとめて用意するのか、ローンを組むのか。新車か中古車か。保険や税金、点検にはどれほど手間と費用がかかるのか。初めての一台では、比較するための知識がないこと自体が不安になる。

加藤さんも、費用を払えないというより、「いくらかかるんだろう」という見通しの立たなさが気になっていた。かつてバイクを所有していたため、乗り物には購入後の管理があることも知っている。

「中古こそやっぱり、車の状態がどうとかも分かんないし」

中古車の良し悪しを見極める自信もなかった。判断できないものを選ぶより、最初から新車でいい。そう考えて選んだのが、保険や税金、メンテナンスを含む定額のKINTOだった。必要な時期には連絡が来て、クルマを持ち込めば点検を受けられる。加藤さんにとっては、最安の方法を突き詰めることより、支払いや手続きをその都度考えずに済むことのほうが大切だった。

夜の照明の下に停まるカローラクロスのサイドビュー 派手さよりも落ち着いた佇まいを好む加藤さん。持ち方は合理的でも、見た目まで無関心というわけではない。

「考えないで済むなら考えないで済む方が楽だな」

もちろん、購入して長く乗り、将来売却するほうが結果的に得になる場合はある。だが、そのためには保険を選び、整備や売却時期を判断し、クルマの状態を気にかけ続ける必要がある。加藤さんは、その手間まで含めて持ち方を選んだ。

定額にすることで毎月の見通しを立てやすくした

現在のカローラクロスは月額「4万ちょい」で、別途ボーナス払いがある。これにマンションの駐車場代「月1〜2万円」とガソリン代が加わる。

(金額はいずれも加藤さんの申告による実額)

決して小さな負担ではない。KINTOなら誰でも安く乗れる、という話でもない。ただし、保険料や税金、定期的なメンテナンス費用が月額に含まれているため、突発的な支払いを心配する場面は減らせる。

加藤さんはこの感覚を「無限レンタカーみたいな」と表現する。必要な時だけ借りるのではなく、いつでも乗れる自分専用のレンタカーが駐車場にあるようなものだ。予約も返却時刻もない。それでいて、所有に伴う管理の多くはサービス側へ預けられる。

夜景を背に正面を向くカローラクロス いつでも乗れる自分専用の一台でありながら、維持にまつわる判断は減らせる。加藤さんのいう「無限レンタカー」をよく表す距離感だ。

一方で、駐車場の確保は自分で行わなければならない。加藤さんの場合はマンションの駐車場に空きがあり、契約できた。初めてクルマを持つなら、車両の月額だけで判断せず、自宅周辺の駐車場代と空き状況まで先に確認したい。

KINTOからKINTOへの乗り換えで無理なく一台大きくした

加藤さんにとって、カローラクロスは生涯二台目のクルマだ。最初の愛車もKINTOで契約した新車のヤリスクロスだった。当時のヤリスクロスは納車まで半年以上かかる人気ぶりだったが、KINTOなら「2ヶ月」ほど。納車の早さも、最初の一歩を後押しした。

ヤリスクロスには「2年半ぐらい」乗った。当時はキャンプへ出かけることが多く、年間走行距離は「8000から1万キロぐらいだったかな」と振り返る。やがて手数料無料の乗り換えキャンペーンを知り、それを利用してカローラクロスへ入れ替えた。

これは、所有車を売ってローンを精算し、次の頭金を用意する乗り換えとは感覚が異なる。契約中のクルマを返し、新しい一台へ移る。加藤さんはそれを、大がかりな買い替えというより、暮らしに合わせた自然な更新として受け止めていた。

カローラクロスについては、落ち着いた外観、乗りやすさ、乗り心地を気に入っている。ボディはヤリスクロスよりひとまわり大きい。それでも話の中心は性能比較ではない。詳しくなくても、自分の用途に合う一台を選び、使いながらクルマとの付き合い方を覚えられたことのほうが重要だ。

手間を減らしても愛着まで薄くなるわけではない

サブスクやリースと聞くと、「借り物だから愛着が湧かないのでは」と感じる人もいるだろう。だが、撮影中の加藤さんを見ていると、その心配はあまり要らないようだ。

三脚を立てて愛車を撮影する加藤さん 取材される側だったはずが、いつの間にか撮影する側へ。愛車を前に、デザイナーの血が静かに騒ぎ始めた。

取材用の撮影が進むうち、加藤さんは自らカメラを構え始めた。構図を探り、三脚を調整し、クルマの見え方を確かめる。こちらの撮影だったはずなのに、気づけば本人の作品撮りが始まっている。

「やっぱり持ってると愛着が湧くし、楽しいし」

所有権が誰にあるかと、日々使うクルマへの愛着は別の話なのだろう。色を選び、荷物を載せ、好きな景色のなかを走る。その時間が積み重なれば、契約の形にかかわらず「自分のクルマ」になっていく。

しゃがみ込んで愛車の撮影に没頭する加藤さん ついには低いアングルまで追求。考える手間は減らしたい加藤さんも、愛車を格好よく撮る手間だけは惜しまない。

加藤さんはKINTOを、万人に勧める正解だとは言わない。自分で保険を選び、整備を管理し、売却まで計画できる人なら、購入のほうが納得しやすい場合もある。一方で「俺みたいなズボラというか、考えるのめんどくさいみたいな人には、すごいいいと思うし」と話す。

最初の一台で大切なのは、最も得に見える買い方を当てることではない。カーシェアを続けるのか、現金やローンで買うのか、中古車を探すのか、定額サービスに任せるのか。それぞれの総額だけでなく、自分が引き受ける手間と不安まで並べてみることだ。

クルマは欲しい。でも、買うこと自体が重い。そう感じて立ち止まっているなら、まず駐車場を調べ、毎月無理なく出せる範囲を決め、そこから持ち方を比べればいい。サブスクは所有の代用品ではなく、自分にもクルマのある暮らしを始められるようにする、現実的な入口のひとつである。

加藤さんのポートレート

OWNER PROFILE

加藤さん(カローラクロス)オーナー

グラフィックからWeb、UIまで手がけるデザイナー。マンションで奥さんと二人暮らし。アウトドア好きで、クルマを持つ前はバイクとカーシェアで出かけていた。愛車は生涯二台目で、一台目は同じくKINTOで乗ったヤリスクロス。取材中に自分の愛車を撮り始めるくらいには、クルマのある暮らしを楽しんでいる。

よくある質問

KINTOだと毎月いくらかかりますか?

加藤さんの場合、車両の月額は「4万ちょい」で別途ボーナス払いがあります。これにマンションの駐車場代(月1〜2万円)とガソリン代が加わります(金額は本人申告)。保険料・税金・点検費用は月額に含まれています。

この記事を書いた人

小林 裕編集長

BEOWNER編集長。周りから車を買いたいと相談されることが増え、都会で車を持つ見えないハードルを越える後押しがしたくなり、BEOWNERを作り始めた。初めての愛車はゴルフ6。現在はボルボ・V60とマツダ・ロードスターを所有。頑なに赤い車を乗り継ぐ。